- (1)認知症
アルツハイマー型認知症で亡くなった人の脳内からは、高い確率で歯 周病菌の持つ毒素が検出されるという調査結果があり、歯周病がアルツハイマー型認知症の発症に関連があるのではないかと考えられている。
- (2)動脈硬化
歯周病菌の影響で,動脈硬化が進みやすくなり、脳梗塞や狭心症の 原因となる。
- (3)誤嚥性肺炎
唾液中に含まれる歯周病菌が食事中や睡眠中にむせたりして気管 の方に入って肺炎を起こす。病気全体の死因ナンバーワンはガンであるが、高齢者の死因ナンバーワンはこの「肺炎」である。
- (4)心臓病
心臓の弁に歯周病菌が感染して、心内膜炎を引き起こしたり、心臓の 血管がスムーズに流れなくなることで、狭心症や心筋梗塞を引き起こしやすくなる。
- (5)早期低体重児出産
妊婦が重度の歯周病だと、胎児に影響が及び、低体温児出 産や早産を起こしやすくなることが分かっている。
- (6)糖尿病
糖尿病の人は歯周病が悪化しやすいのであるが、最近ではその逆の関係、つまり歯周病があると糖尿病が悪化しやすいばかりでなく、食事療法、運動療法、薬物療法などをどんなにしても糖尿病はなかなか治らないという事実が医学的に証明されている。糖を分解できる唯一の体内酵素であるインスリンの働きを歯周病菌の毒素が阻害するので血糖値が改善されないからである。現在では、糖尿の治療には歯周病の治療が絶対必要であると いう結論に達している。
- (7)肥満・メタボリックシンドローム
歯周病菌の出す毒素は、肝臓や脂肪組織に 脂肪を溜め込む働きがあると考えられており、それが肥満やメタボリックシンドロームを引き起こすのではないかとされている。
- (8)関節リウマチ
歯周病菌が関節の中で炎症を引き起こして、関節リウマチを起 こしている可能性があると言われている。
- (9)乳幼児の口の中の細菌群
生まれたばかりの乳幼児の口の中は無菌状態である が、母親が離乳食を与えるときの「口移し」によって、母親の口の中の細菌がそのまま乳幼児の口の中の常在菌となってしまう。 もし母親の口の中が不潔であったり銀歯がたくさん入っていたりすると、口移しにより母親の悪玉菌がすべて子供に移ってしまうばかりか、そのバイ菌を食物と一緒に食べさせていることになってしまうのである。もし、子供の歯や体が弱かったり病弱であったりした場合、母親の食物の口移しによるバイ菌の「母性感染」の可能性も否定できないかもしれない。
以上いくつかの例をあげましたが、他にもむし歯や歯周病と関連性が高いと考えられる病気は次々と見つかっています。お口の環境を整えることで多くの病気を未然に防げる可能性が出てきます。皆さんもぜひ、全身の健康のためにも、歯や体に悪い銀歯は極力避けて、お口のケアを念入りにしていきましょう。