プラークコントロールってなに？
What is “plaque control”?Q
歯周病の予防と治療は重要といわれていますが、
一番よくいわれる「プラークをコントロールする」とはどういうことですか？
歯周病にかかっている歯は根面がバイ菌で汚れています。その歯についたプラーク＝歯垢（バイ菌の集落）が石灰化したものが「歯石」で非常に硬いバイ菌の固まりです。
プラークコントロールとは、歯周病の治療や予防のために歯にプラーク（歯垢）がつかないようにすることをいいます。患者さん自身が行うプラークコントロールはブラッシングで、歯科医師や歯科衛生士がプロの責任において行うプラークコントロールがPTC。PTCは、歯科医師や歯科衛生士が歯の根面についた歯垢や歯石を除去して歯根面をツルツルにクリーニングします。専門家にしかできない治療技術なので、プロフェッショナル・トゥース・クリーニング（PTC）と呼ばれているものです。
しかしながら、PTCだけでは歯周病を完全に治すことはできません。バイ菌は歯と歯ぐきの境目から次から次へとどんどん入り込んでいきます。PTC治療を行った後は、歯と歯ぐきの間がやや広がるため、バイ菌が以前より入りやすくなります。そのバイ菌の侵入を食い止めなければ歯周病が再発したり、悪化したりします。
そこで、歯周病の治療や予防において最も大切なことは「歯と歯ぐきの境目からのバイ菌の侵入を防止する」ことで、それには正しいブラッシングを欠かさないようにする以外にありません。この「ブラッシング」は、歯周病の治療や予防において患者さん本人がすべき最も重要で有効な手段となります。そのブラッシングは、歯ブラシで歯をゴシゴシやるだけでなく、歯についた歯垢を歯ブラシで取り除くことなので、「歯を磨いている」と「歯が磨けている」ことは、実質的に全く違うことを理解してください。
歯周病治療のプラークコントロールは、患者さん、歯科医師、歯科衛生士のトライアングルがうまく機能し、それぞれがしっかりと責任分担を遂行することで成し得るもの。患者さんの努力だけでは歯周病は改善されませんし、もちろん歯科医師の努力だけでも治りません。
以上のことをしっかりと認識した上で、皆さんプラークをコントロールしてください。
